泉原ハウス ランドスケープ計画

泉原ハウス ランドスケープ計画

今帰仁の山の中腹にある、森の隠れ家のような宿
そのお庭のプランニングを担当させていただきました

広い雨端空間が「屋外へのいざない」ならば、
庭は「滞在時間をより豊かにする場」
そんなご依頼のもと、既存の樹林を活かした
“引き算のデザイン”で構成しました
たとえば、裏手でひっそりと光を遮っていたソウシジュの木陰
余剰な分を取り除いて、
コーヒー片手に本を読める落ち着いた場所に
濃い影を落とすホルトノキの下では、
風通しよく周りを整えて
ハンモックに揺られながら、目の前の菜園を眺め、
「今日の夕食、何をつくろう」と考える

それぞれの場所をつなぐのは、
琉球瓦と琉球石灰岩を組み合わせた小径
庭をめぐるたび、足元に沖縄らしい素材の温もりが伝わってきます
小径の施工には、水脈や空気の流れに配慮し
土中環境を整えていくことも同時に
点在する果樹からは季節の恵みもいただける
そんな、ささやかだけど確かな豊かさ

ここは、リゾート地とは少し違う、
“日常と非日常のあいだ”のような場所
草木や虫、小さな命との出会いも楽しめる、
森の静けさに包まれた宿です


内容:ランドスケープ計画、現場監理
Year:2025
場所:沖縄県今帰仁村
施工:本部造園、FIELD モレウ、泉原ハウススタッフ
写真:セソコマサユキ